
従業員の手取りを増やしながら企業側のコストも削減できる制度として、近年「社宅系福利厚生」への注目が高まっています。賃上げが難しい状況でも住宅コストのサポートによって実質的な待遇改善が図れるため、中小企業でも取り組みやすい施策として広がっています。特に採用競争が激化する今、住宅補助は求職者にとっても魅力的な福利厚生のひとつです。
今回は、こうした社宅系福利厚生サービスの中でも利便性の高さで注目される『マネーフォワード クラウド福利厚生賃貸』を中心に、近しい特徴を持つ福利厚生サービスを紹介します。各サービスの特徴や強みを見比べながら、自社に合った選択肢を探す参考にしてください。
※本記事の内容は執筆時のリサーチによるものです。閲覧いただいた時点で各サービス内容が変化している場合もございます。料金やプランなどの詳細については各サービス窓口へお問い合わせください。イメージ画像は各サービス・運営会社さまの公式サイトより。
- マネーフォワード クラウド福利厚生賃貸とは
- おすすめの類似サービス比較表
- 導入後の運用までサポート『freee福利厚生』
- 500円/戸で実質手取りアップを実現『社宅ラクっとNAVI』
- 転貸方式によるフルアウトソーシング『リロの社宅管理』
- 企業に合わせた社宅管理サポートを提供『しゃたくさん』
- 家具・食事付き社員寮を用意できる『エルプレイス』
- マネーフォワード クラウド福利厚生賃貸の主なメリット
- 実質手取りアップで採用強化・離職率の改善が期待できる
- 運用コストが実質無料で企業側の負担が少ない
- 既存の賃貸物件を活用して社宅制度を導入しやすい
- マネーフォワード クラウド福利厚生賃貸のデメリット・注意点
- 手取り増加額は年収・世帯構成により異なる
- 社内周知や制度設計が必要になる
- 物件や契約条件によっては導入できない場合がある
マネーフォワード クラウド福利厚生賃貸とは

『マネーフォワード クラウド福利厚生賃貸』は、株式会社マネーフォワードが提供する社宅系福利厚生サービスです。従業員が現在住んでいる賃貸物件を法人名義に切り替え、家賃を給与から天引きする仕組みを整えてくれます。これにより、額面給与が下がるため、所得税・社会保険料が低下し、実質的な手取りを増やすことができます。また、社会保険料の会社負担分も低下するため、サービス利用料を実質まかなえるケースがほとんどで、双方にメリットのある設計になっています。
これまで社宅制度は大企業向けという印象が強く、契約手続きや調整業務の煩雑さ、専門知識の必要性から中小企業では導入ハードルが高いとされてきました。しかし『マネーフォワード クラウド福利厚生賃貸』はこうした手続きを代行し、規模を問わずかんたんに導入・運用できる仕組みを整えています。申し込みから運用管理まで一貫したサポートを受けられるため、専任担当者がいない企業でも導入しやすいのが特徴です。従業員の定着率向上や採用力強化を目指す中小企業にもおすすめのサービスです。
おすすめの類似サービス比較表
導入後の運用までサポート『freee福利厚生』

【マネーフォワード クラウド福利厚生賃貸との類似点】従業員の手取りを増やす社宅系福利厚生サービス/今住んでいる物件への対応・名義変更サポートあり/企業・従業員双方にメリットのある設計/担当者の業務負担を削減できる
【マネーフォワード クラウド福利厚生賃貸との相違点】新規入居の場合、指定の仲介会社を通じて手続きを行う
【こんな企業におすすめ】安心できる大手サービスを利用したい/担当者の管理・運営負担を減らしたい
『freee福利厚生』は、フリー株式会社が提供する借り上げ社宅制度の導入・運用支援サービスです。従業員が契約している賃貸物件を会社名義に切り替えることで、従業員の手取りアップと企業の社会保険料削減を実現できます。借り上げ社宅制度の導入から運用まで一括してサポートしてくれるため、担当者の業務負担を大きく軽減できるのが魅力です。freeeブランドならではの知名度と信頼感があり、すでにfreeeの会計・人事労務ソフトを活用している企業は特に利用しやすいでしょう。なお、物件は自由に選ぶことができますが、指定の仲介会社を通じて手続きを行う点に留意が必要です。
500円/戸で実質手取りアップを実現『社宅ラクっとNAVI』

【マネーフォワード クラウド福利厚生賃貸との類似点】従業員の手取りを増やす社宅系福利厚生サービス/今住んでいる物件への対応・名義変更サポートあり/企業・従業員双方にメリットのある設計/担当者の業務負担を削減できる
【マネーフォワード クラウド福利厚生賃貸との相違点】部屋探しや引っ越しに関するサービスも提供/社労士への相談が可能
【こんな企業におすすめ】企業側の費用負担を抑えたい/担当者の管理・運営負担を減らしたい
『社宅ラクっとNAVI』は、社宅の管理や引っ越しの手配に関するサービスで、株式会社リベロが提供しています。社宅代行サービス全体で、累計3,600社以上が導入しており、花王や松屋フーズ、カインズなど多様な業種の企業の利用実績があります。中でも、【ベネフィット社宅】は、従業員が住む賃貸物件を法人名義に切り替えて社会保険料・所得税を抑えることで、従業員の手取りを増やすことができます。今住んでいる物件への対応や名義変更のサポートも行っており、社宅管理業務を500円/戸で対応しているため、コストを抑えながら運用しやすい点が魅力です。導入フローでは社労士への相談や従業員向け説明会の実施サポートなども行っています。
転貸方式によるフルアウトソーシング『リロの社宅管理』

【マネーフォワード クラウド福利厚生賃貸との類似点】借り上げ社宅制度の運用をサポートする法人向けサービス/担当者の業務負担を削減できる
【マネーフォワード クラウド福利厚生賃貸との相違点】代行方式・転貸方式の両対応で企業の希望に合わせて選べる/全国優良不動産会社4,000店舗のネットワークを保有/部屋探しから更新・解約手続きまで事務業務を代行してもらえる/社有社宅プランや社宅制度コンサルティングのサービスも提供
【こんな企業におすすめ】安心できる大手サービスを利用したい/担当者の管理・運営負担を減らしたい/転貸方式で契約上のリスクを最小化したい
『リロの社宅管理』は、株式会社リロケーション・ジャパンが提供する社宅管理サービスです。転貸方式のパイオニアとして知られ、全国優良不動産会社4,000店舗のネットワークを活かした物件探しから、契約・管理・退去精算までをフルアウトソーシングできます。転貸方式では同社が契約当事者となるため、企業側は包括転貸借契約の締結だけで済み、家主ごとの個別契約が不要になります。敷金の立替オプションもあり、資金運用面の改善にも役立ちます。リログループのリソースを背景とした万全のコンプライアンス対応も特徴のひとつです。社宅管理業務そのものをアウトソーシングしたい企業、特に転勤が多い組織に向いているサービスです。
企業に合わせた社宅管理サポートを提供『しゃたくさん』

【マネーフォワード クラウド福利厚生賃貸との類似点】借り上げ社宅制度の運用をサポートする法人向けサービス/担当者の業務負担を削減できる
【マネーフォワード クラウド福利厚生賃貸との相違点】不動産取引による対価を受け取らない中立的な立場でのコンサルティング・管理代行/部屋探しから更新・解約手続きまで事務業務を代行してもらえる/社有施設運営代行や住宅制度コンサルティングのサービスも提供
【こんな企業におすすめ】社宅制度の設計・見直しも含めて相談したい/担当者の管理・運営負担を減らしたい/自社にあった業務代行を提案してほしい
『しゃたくさん』は、日本社宅サービス株式会社が提供する社宅管理アウトソーシングサービスです。不動産仲介の手数料は受け取らず、企業からのサービス利用料を収入源としているため、特定の物件や不動産会社に偏らない、企業目線の提案を受けやすい点が特徴です。単なる業務代行にとどまらず、企業の社宅制度に関する課題を根本から解決することを目的としており、住宅制度コンサルティングや社有施設運営代行など多様なメニューが揃っています。【しゃたくさんLite】という最低限の業務をアウトソーシングできるプランも用意されているため、規模やニーズに応じた選択が可能です。社宅制度を一から設計・整備したい企業や、現行制度の見直しを検討している企業に向いています。
家具・食事付き社員寮を用意できる『エルプレイス』

【マネーフォワード クラウド福利厚生賃貸との類似点】従業員の住環境をサポートする法人向けサービス
【マネーフォワード クラウド福利厚生賃貸との相違点】大和ハウスグループが運営する社員寮サービス/家具・家電完備で食事サービスを提供
【こんな企業におすすめ】安心できる大手サービスを利用したい/新入社員や転勤者向けの社員寮を早急に整えたい/健康経営に取り組んでいる
『エルプレイス』は、大和ハウスグループが提供する法人向け社員寮・社宅サービスです。各部屋に家具・家電が備え付けられており、入居者は身の回りの品だけで新生活をスタートできます。管理員が常駐しているため、緊急時の対応を任せられる他、セキュリティ面でも安心です。平日朝夕の食事サービスも提供してもらえるため、新入社員や転勤者でも栄養バランスの取れた食生活を送れます。1棟まるごとの利用から1部屋単位のフレキシブルな利用まで対応しており、企業規模に応じた活用が可能。採用力の強化や従業員の早期定着を目指す企業に向いています。
マネーフォワード クラウド福利厚生賃貸の主なメリット
実質手取りアップで採用強化・離職率の改善が期待できる
大きなメリットの一つは、賃上げを行わずとも従業員の手取りを増やせる点です。2026年度時点での概算値では、月収33万円、家賃9万円の単身者の場合、年間約20万円の手取り増加が見込めるとされています。従業員にとっては生活コストの軽減につながるため、満足度・エンゲージメントの向上が期待できます。また、住宅補助制度は、求職者や従業員からの関心が高い福利厚生のひとつ。特に都市部では家賃負担が大きく、住宅支援制度の有無が企業選びに影響するケースもあるため、採用強化や定着率の向上にもつながります。
運用コストが実質無料で企業側の負担が少ない
企業側としても、サービスの月額利用料を社会保険料の低下分でまかなえるケースがほとんどとされており、追加コストをかけることなく福利厚生を拡充できます。また、借り上げ社宅制度の場合、契約管理や更新対応、支払い処理など、複数の管理業務が発生しますが、『マネーフォワード クラウド福利厚生賃貸』では、こうした業務のサポートを受けられるため、人事・総務部門の負担軽減につながります。従来の社宅制度はコスト・手続きの面から大企業でなければ導入が難しいとされてきましたが、コスト・運用面での不安が少ないため、初めて住宅系福利厚生を整える中小企業でも取り入れやすい選択肢です。
既存の賃貸物件を活用して社宅制度を導入しやすい
『マネーフォワード クラウド福利厚生賃貸』の特徴として、従業員が現在住んでいる賃貸物件を活用できることが挙げられます。一般的な社宅制度では、会社指定物件への引っ越しが必要になるケースもありますが、既存契約の切り替えによって導入が可能です。従業員にとっては住環境を変えずに福利厚生を利用できるため、制度利用への心理的ハードルを下げやすい点がメリットです。企業側としても、新たな物件手配や管理工数を抑えながら制度を整備しやすくなります。
マネーフォワード クラウド福利厚生賃貸のデメリット・注意点
手取り増加額は年収・世帯構成により異なる
『マネーフォワード クラウド福利厚生賃貸』では、借り上げ社宅制度を活用することで、従業員の手取り増加が期待できますが、実際の増加額は、年収や家賃、会社負担割合、扶養状況などによって異なります。たとえば、同じ家賃水準であっても、給与額や課税条件によって節税効果には差が出るため、「全従業員が同程度の効果を得られる」とは限りません。また、企業ごとの制度設計によっても実質的な負担額は変わるため、導入前にはシミュレーションを行うことが重要です。従業員へ説明する際にも、「どの程度手取り改善が見込めるのか」を具体的に共有することで、制度理解や利用促進につながりやすくなります。
社内周知や制度設計が必要になる
借り上げ社宅制度は、税務・労務にも関わる福利厚生制度です。そのため、単にサービスを導入するだけでなく、社内規程整備や従業員向け説明も必要になります。借り上げ社宅制度は仕組みがやや複雑なため、給与から家賃が天引きされることへの不安が生じてしまう可能性も。そのため、手取りが増えるという本来のメリットを正確に伝えるための丁寧な周知をすることが重要です。制度を正しく理解してもらうための説明資料の整備や個別の質問対応が必要になる場合も想定して準備をしておくと安心です。
物件や契約条件によっては導入できない場合がある
『マネーフォワード クラウド福利厚生賃貸』は、現在住んでいる賃貸物件を法人契約へ切り替える仕組みを前提としています。ただし、すべての物件で利用できるとは限らず、オーナーや管理会社の承諾が必要になる場合が出てくるかもしれません。また、契約条件によっては法人契約への切り替えが難しいケースや、再契約が必要になるケースも考えられます。そのため、導入前には対象物件の契約条件を確認し、制度対象範囲や運用ルールを事前に整理しておく必要があります。

執筆者 snaq.me magazine編集部
からだにやさしい無添加おやつの法人向け置き菓子サービス『snaq.me office (スナックミーオフィス)』が運営する、福利厚生専門よみものメディア『snaq.me magazine (スナックミーマガジン)』の編集部です。組織運営に役立つ情報をさまざまに発信していきます。
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